LEXUS TEAM ZENT CERUMO

2019 AUTOBACS SUPER GT Report
FUJI GT 500km RACE 第2戦 富士スピードウェイ

ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路 / 石浦宏明

ZENT CERUMO LC500

レース情報

決勝5月4日(土) RACE
決勝結果 優勝

予選では戦略もあり、7番手に終わっ たものの、決勝に向けて自信を深めていた LEXUS TEAM ZENT CERUMO は5月4日(日)、SUPER GT 第2戦富士の 決勝日を迎えた。

午前中の天候はこの時季らしい晴天で、早朝から富士スピード ウェイ周辺は渋滞が起きるほどの多くのファンで賑わった。


しかし、この日の富士は午後に雨が降る予報が出ていた。午後0時55分からのウォームアップでは天候は曇りだったが、その終盤、ポツポツと雨が降り出 す。スターティンググリッドではなんとか天候はもったが、スタート直前に大 粒の雨が富士スピードウェイに注ぎはじめてしまった。

 

そんななか、レースは午後2時30分、セーフティカー先導によりスタートする。ZENT CERUMO LC500 のスタートドライバーを務めたのは立川祐路だ。うっすらと湿ったコースコンディションのなか、立川は3周目にセーフティカーランが終了すると、まずは4番手の集団に狙いを定めた。

 

まず立川は、#16 NSX-GT と#17 NSX-GT の争いに加わると、4周目のTGR コーナーで#16 NSX-GT をパス。直後のコカ・コーラ・コーナーでわずかにコースアウトを喫したが、すぐにダンロップコーナーで4番手を奪回してみせる。

5周を過ぎるあたりから雨が強まりはじめが、そんななか水を得た魚のように立川は 躍動する。

スタート直前、雨が降り出すなかで ZENT CERUMO LC500 は若干のセッティング変更を行い、かつウエットタイヤのチョ イスを的確なものにしたことで、ZENT CERUMO LC500 はこのコンディションのなかで素晴らしい速さを発揮したのだ。


立川は6周目には#12 GT-R をかわし3番手に浮上すると、今度はトップを争う#23 GT-R、#37 LC500 に近づいていった。11周目、#37 LC500 がダンロップコーナーでコースアウトし2番手を得た立川は、12周目にはトップの#23 GT-R に急接近した。
 

雨脚が強まり、大きな水煙が上がるなか、立川は13周目のTGRコーナーでズバリとインを差すと一気にトップに浮上した。ただその直後、雨は雷をともなう本降りに。直後レースはセーフティカー導入となり、さらに 15 周終了をもって赤旗中断となってしまった。

強い雨のため、しばらくレースは中断となっていたものの、午後3時33分にセーフティカー先導でレースは再開された。

雨はすっかり止み、コース上の水量も減った状態でのリスタートとなったが、再開後、立川の後方からは#37 LC500 が接近。24周目、GRスープラコーナーで立川はインを譲ることになった。さらに30周目には、#23 GT-R にもポジションを奪われてしまう。乾きはじめたコンディション下では、ZENT CERUMO LC500 のタイヤはライバルに対しいまひとつ合っていなかったためだ。


しかしコースの水量がさらに減り、レコードライン上に乾いた部分が見えは じめると、ウエットタイヤは悲鳴を上げはじめていたが、立川はベテランならではの技でふたたび勢いを盛り返し、34周目には#23 GT-R をふたたびパス。40周を終え、⻑いスティントをこなした立川は ZENT CERUMO LC500 をピットに戻し、石浦宏明に交代することになった。

この頃になるとレコードライン上は完全に乾いており、スリックタイヤへ交換するタイミング。

LEXUS TEAM ZENT CERUMO は迅速な作業でタイヤ交換を行い、石浦を送り出した。ピットアウト後、タイヤのウォームアップが早い#23 GT-R が先行することになるが、石浦は快調なペースで周回を刻みはじめる。


一時は#23 GT-R との差は5秒あった ZENT CERUMO LC500 だが、石浦はジワジワとその差を削りとりはじめると、55周目には#23 GT-R のテールに急接 近。59周目、石浦は最終のパナソニックコーナーでわずかに#23 GT-R の加速が鈍ったのを見逃さず、ストレートでサイド・バイ・サイドへ。さらにTGRコ ーナーでアウトに並ぶと、コカ・コーラ・コーナーに向けてインを奪い、トップを奪還した。

その後も#23 GT-R とのギャップを広げた石浦は、77周を終えふたたび ZENT CERUMO LC500 をピットへ。任務を終えて立川にふたたびステアリングを託した。ただ、ここでまたもウォームアップに優れる#23 GT-R はピットを終えると、ふたたび ZENT CERUMO LC500 の前方に出現することになった。

 完全に#23 GT-R とのマッチレースとなった第2戦。しかしチームの地元で立川は負けるわけにはいかない。レースも残り17周ほどという89周目、立川は一気に1秒程度のギャップまで差を詰めた。

明らかに#23 GT-R よりもペースがいい立川は、94周目には#23 GT-R のテールにピタリとつけると、99周目のTGRコーナーで一気にインへ!このレース4回目となる#23 GT-R とのバトルを制し、三度トップへ浮上した。

序盤の雨にもめげず声援を送り続けたファンが見守るなか、立川は110周を走りきり、2017年第2戦富士以来となる優勝をもぎとり、出迎えた石浦と満面の笑みで喜びを分かちあった。

第1戦岡山から好調だった ZENT CERUMO LC500 の実力をドライバー ふたり、そしてチームが一丸となって発揮した最高のゴールデンウイークとなった。

立川祐路選手のコメント

「スタート直前にウエットコンディションになる難しい展開のレースになりました。若干ウエットに備えたセットアップに調整してスタートすることになりましたが、そのフィーリングが良く、序盤からポジションを上げることができたと思っています。その点はすごく良かったですね。赤旗中断後は水が減る状況で、僕たちとしてはちょっとライバルに先行を許すかたちになりましたが、ずっとバトルをしながら戦っていきました。その後ドライコンディションになり、23号車との一騎討ちとなりましたが、ライバルはタイヤのウォームアップが早かったですね。

とはいえスティント後半は僕たちにアドバンテージがありました。こうして最終的に勝つことができたのは良かったですし、僕は前日の予選で戦略上のものとはいえ、いいパフォーマンスをみせることができなかったので、少し残念な気持ちがあったんです。今日はその分『活躍するぞ』という思いがあったので、優勝することができて本当に嬉しいです」

石浦宏明選手のコメント

「予想より早くスタート直前に雨が降り出してしまいましたが、この雨でレインタイヤの種類をどうするのかをすごく悩みました。第1戦岡山もそうでしたし、今日の天候がどうなっていくのかを読むのが難しく、セッティングもどうするのかも大いに悩んでいました。立川選手、エンジニア、監督とも話し合い選んだことがうまく機能して、立川選手が若手ドライバーのように上位に上がっていったのを観て、僕も気合を入れてもらったような感じです。

また、このレースの難しいもうひとつのポイントは、ドライコンディションに転じていくなかで、いつタイヤを換えるかだったのですが、そのタイミングもいい判断をしてくれましたし、ピット作業も素晴らしかったです。すべてがかみ合ったことで、開幕戦でレクサス勢が苦しかったなか、結果を残すことができて良かったです。TRDの皆さんも頑張ってくださいましたし、チームのみんなもすごくいい雰囲気を作ってくれたと思います。皆さんに感謝したいと思います」

立川祐路総監督のコメント

「ウエットコンディションからドライに転じる難しいコンディションのなか、 ひとつもミスが許されないレースとなりました。そんななかで全員が頑張ってくれた結果だと思っています。

今シーズン、自分が総監督になり、石浦選手も取締役という立場になったりと、チーム全体として新体制となったなかで、自分たちの責任もありますし、それに対してみんながすごく頑張ってくれました。それがこうして結果に繋がったことは本当に嬉しく思いますし、この勝利はチームみんなで勝ちとった優勝だと思います。チームのみんなに感謝したいです」

村田淳一監督のコメント

「今日のレースはドライバーのふたり、パーフェクトなマシンを作り上げてくれたエンジニア、素晴らしい作業をしてくれたメカニックと、すべてがいい仕事をしてくれた結果だと思っています。またこの第2戦に向けて、短い期間で戦闘力を上げてくれた TRD さんにも非常に感謝しております。その力はレース中にも証明することができたのではないでしょうか。

新体制となり早い段階で優勝できたことは、すごく大きなことだと思っています。これからも気を引き締めてこの一勝に留まらず、良い成績を残してシリーズをリードしていくべく頑張っていきたいと思います。また、新体制に向けてスポンサードを継続して下さった善都様をはじめ、各企業様にもこうして結果でお返しすることができました。皆様にも感謝致します」

決勝結果表
Rank Car No. CarName Laps Best Lap Time
1 38 ZENT CERUMO LC500 110 1'30.230
2 23 MOTUL AUTECH GT-R 110 1'30.120
3 1 RAYBRIG NSX-GT 110 1'29.709
4 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 110 1'30.794
5 17 KEIHIN NSX-GT 110 1'30.599
6 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 110 1'30.931
7 37 KeePer TOM'S LC500 110 1'30.596
8 6 WAKO'S 4CR LC500 109 1'30.572
9 8 ARTA NSX-GT 109 1'30.355
10 64 Modulo Epson NSX-GT 109 1'30.271
11 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 109 1'30.870
12 12 カルソニック IMPUL GT-R 108 1'30.834
13 19 WedsSport ADVAN LC500 107 1'31.213
14 24 REALIZE CORPORATION ADVAN GT-R 103 1'30.423
  36 au TOM'S LC500 61 1'30.908

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