LEXUS TEAM ZENT CERUMO

FUJI GT 500km RACE

ZENT CERUMO LC500
#38 立川祐路 / 石浦宏明

【2018 SUPER GTシリーズ】第2戦 富士スピードウェイ レースレポート

LEXUS TEAM ZENT CERUMO

#38
ドライバー立川祐路 選手
ドライバー石浦宏明 選手
浜島裕英 監督

レース情報

予選5月3日(木・祝) QUALIFY
公式予選総合結果 1位(1分 27 秒 904)


ポイントこそ獲得したものの、予選までの苦戦や決勝での接触等、苦しい戦いとなった第1戦岡山から1ヶ月近く経ち、SUPER GT の 2018 年シーズン は第2戦富士スピードウェイを迎えた。 ゴールデンウイークの一戦で多くのファンが訪れることはもちろん、LEXUS TEAM ZENT CERUMO にとって富士はホームコース。そして、2017 年に優勝 を飾っている思い入れのあるレースだ。


第1戦で思うように獲得できなかったポイントの分も、このレースでは大量得点を狙いたい......。チームは準備をしっかりと整え、5月2日(水・祝)の搬入日を過ごした。ただ、チームが作業を終える頃、富士スピードウェイにはポツポツと雨が降り出した。次第に雨は強くなり、夜半には強い風雨が襲う。幸い5月3日(木・祝)の予選日早朝に雨はほとんど止んだが、路面はすっかり濡れていた。

さらに、午前8時 40 分から予定されていた公式練習を前に、富士スピードウェイには少しずつ霧が立ちこめはじめた。霧はどんどんと濃くなると、LEXUS TEAM ZENT CERUMO のピットから、ファンが詰めかけているはずのグランドスタンドを目視することもできない状態に。大会競技⻑は、走行を前にしてセッションのディレイを宣言した。ただ、待てども待てども霧は薄くならず、午前 10 時 15 分に公式練習の中止が決定した。


午後を前に、急遽午後0時 50 分から30 分間の公式練習がリスケジュールされ、公式予選はノックアウト方式から20分間で計時される形式となり、ドライバー登録が不要になった。ただ、公式練習が設けられたとはいえ、30 分間の走行でできることは非常に少ない。LEXUS TEAM ZENT CERUMO は立川祐路を予選のアタッカーに据え、30 分間で予選に向けたセットアップの確認を行った。


迎えた午後3時 15 分からの GT500 クラスの公式予選。20 分1回という通常とは異なるフォーマットだが、ステアリングを握った立川はまず一度コースインし、じっくりとタイヤを温めながらアタックを一度行っていく。セクター1で ベストタイムを記録した立川は、まずは 1 分 28 秒 790 をマークし、あまり好感触は得ていないながらも6番手につけ、一度ピットに戻っていった。

残り8分、立川はふたたびコースインし、チェッカーに向けてアタックを行っていった。残り2分というタイミングで、これまでも富士スピードウェイで数多くの栄冠を残してきた立川がその実力を発揮する。多くのマシンが1分 28 秒台前半を記録していくなか、ただひとり 27 秒台に入れる1分 27 秒 904 をマ ーク! さらにライバルを引き離すべく、セクター1でふたたびベストタイムを更新していった。

ただ、ライバル勢がタイムを更新できないことを確認した立川は、そのままピットへ。ただひとり 27 秒台をマークした立川と ZENT CERUMO LC500 は、見事ポールポジションを獲得してみせたのだ。これで立川は他の追随を許さない通算 23 回目のポールポジション記録更新となった。


5月4日(金・祝)の決勝に向けて、絶好の位置を獲得した ZENT CERUMO LC500。霧による公式練習中止の影響で石浦はこの日、一度もステアリングを握ることはなかったが、これまでの実績から、「立川選手の走りを観て、クルマの状態も良さそうですし、富士は走り慣れていますから」と力強く語っている。昨年勝利の再現に向け、一歩近づいたと言えよう。

石浦宏明選手 (左)
浜島裕英監督 (右)
立川祐路選手

立川祐路選手のコメント

変則的なスケジュールもあって、手ごたえもないままの予選になったので、今日のポールポジションは予想できなかったですね。それだけにすごく嬉しいです。1セット目のタイヤではあまりアタックはうまくいかなかったのですが、2セット目ではうまくアタックすることができました。今日はポールポジションを獲れましたが、明日は明日で違いますからね。それに今日はロングランが一切できていない。明日に向 けては未知数なので、仕切り直してしっかり準備をし、ミスなくきっちり戦い、昨年と同じ結果を残せたらと思っています。

石浦宏明選手のコメント

今日は一度もドライブしていないので、こんな不思議な気持ちのポールポジションは初めてですね(笑)。ただ去年も予選 Q2 を観ていて、ポールポジションを獲れるかな、と思っていたら立川選手がきっちり獲ってくれましたから。富士の“近道”を知っている立川選手にアタックしてもらって良かったです。明日は⻑いレースになりますが、ふだんのレース以上にミスをしないことが大事です。そうすれば結果は自ずとついてくると思いますので、僕も自分のベストを出し切って走りたいと思います。

浜島裕英監督のコメント

ポールポジションを獲得できて良かったです。エンジニアがいいクルマを作ってくれて公式練習からクルマの状態も良かった。今の SUPER GT は接戦で、走りはじめのスタートで出遅れてしまうと、取り返すことが本当に難しい。このレベルであれば立川選手ならポールポジションを狙えると感じていました。昨年はこのレースで優勝できましたが、内容としては決していいレースではなかった。展開で勝てた部分もあったので、今日のいいクルマをしっかり保ち、タイヤに合わせてセットアップできれば、いい結果が残せるのではないでしょうか。

Rank Car No. Car Name QF Time
1 38 ZENT CERUMO LC500 1'27.904
2 6 WAKO'S 4CR LC500 1'28.074
3 23 MOTUL AUTECH GT-R 1'28.147
4 36 au TOM'S LC500 1'28.229
5 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 1'28.471
6 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 1'28.524
7 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 1'28.571
8 19 WedsSport ADVAN LC500 1'28.638
9 1 KeePer TOM'S LC500 1'28.676
10 100 RAYBRIG NSX-GT 1'28.683
11 64 Epson NSX-GT 1'28.808
12 8 ARTA NSX-GT 1'28.838
13 12 カルソニック IMPUL GT-R 1'28.884
14 17 KEIHIN NSX-GT 1'28.907
15 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 1'28.978
決勝5月4日(金・祝) RACE
決勝結果 3位


ポールポジション獲得に沸いた5月3日(木・祝)の公式予選から一夜明け、SUPER GT 第2戦『FUJI GT 500km RACE』は5月4日(金・祝)の決勝日を迎えた。絶好のレース日和と言える五月晴れに恵まれ、5万5000 人もの来場者が富士スピードウェイに訪れ、朝から賑わいをみせた。


LEXUS TEAM ZENT CERUMO のピットにも多くのゲストが訪れたが、そのなかでチームは午後1時 05 分にスタートするウォームアップに向け、ZENT CERUMO LC500 の準備を整えた。他のチームも同様だが、前日の公式練習では決勝に向けたロングランを行えていない。チームは短いウォームアップの時間を使ってフィーリングを確認したが、ここで ZENT CERUMO LC500 は 1 分 31 秒 097 というベストタイムをマーク。3番手につけた。

グランドスタンドをファンが埋めるなか、迎えた午後2時 40 分からの決勝レース。ZENT CERUMO LC500 のステアリングを握ったのは立川祐路だ。午後2時 47 分、先頭でスタートして1コーナーに飛び込んだ立川は、トップのままTGR コーナーに入っていく。


しかし、2番手につけていた#23 GT-Rのタイヤの温まりが早い。あっという間に立川の背後につけると、オープニングラップのダンロップコーナーで立川をオーバーテイクしていく。そして立川は、ZENT CERUMO LC500 にアンダーステアの症状を感じ取っていた。後方からさらに#6 LC500 が接近してくると、立川はレクサスコーナーでわずかにアウトにはらん でしまい、#6 LC500 に並ばれてしまった。


ただ、ここは立川が踏ん張り、2番手の座は簡単には明け渡さない。逆に#6 LC500 がポジション争いのなかで順位を落とし、立川の背後には#36 LC500、さらに4周目には#39 LC500 が続いてきた。立川はなんとか2番手の座を守りながら、時折トップの#23 GT-R に接近するものの、後方からはペースに勝る#39 LC500が接近。23 周目、立川はついに#39 LC500 にかわされ3番手に後退してしまった。ただ、その後は後続の接近を許さず、36 周を終えてピットへ。48.4秒の作業時間で石浦宏明に交代した。


アンダーステアの症状を立川から聞いていた石浦は、そのなかでもペースを保つべく周回を重ねようと試みるが、前後にはライバルが。40周目、ZENT CERUMO LC500の3周前にピット作業を終えていた#36 LC500 が急接近してくる。石浦はポジションを譲るまいとダンロップコーナーでインを閉めにかかるが、さらにそのインを強引に突いてきた#36 LC500 が石浦をオーバーテイクしていってしまう。


しっかりタイヤを温めた石浦は、ふたたび#36 LC500 の前に出るべく攻防を しかけるが、前走車がいるとダウンフォースに悪影響を及ぼしてしまい、石浦はなかなか自分の走りをすることができなかった。


ただ、そんななかでもトップに離されまいと粘りの走りを続けた石浦は、74周まで走りきり、ふたたび ZENT CERUMO LC500 をピットへ戻す。2回ピットインが義務づけられているこのレースで、規定の作業を終えた LEXUS TEAM ZENT CERUMO は、ふたたび立川にステアリングを委ねた。


ピットアウト後、今度は#6 LC500 が立川に襲いかかる。76 周目の TGR コーナーで#6 LC500 は立川のインを突いてきた。これで ZENT CERUMO LC500 は表彰台圏外の4番手となってしまうが、そこは立川の腕のみせどころ。79周目、今度は立川が TGR コーナーで#6 LC500 のインへ。これでふたたび3番手を奪回した。


ふたたびトップを目指したかった立川だが、この段階でトップとは間隔も開いており、そのまま3位でチェッカーを受けることに。ポールポジションスタートから昨年の再現を狙いたいところだっただけに、少々悔しさの残る3位表彰台となった。とはいえ、苦しいなかでも表彰台を獲得したことは、目指すチャンピオン獲得に向けては大きな結果。LEXUS TEAM ZENT CERUMO は2週間後に迫る第3戦鈴鹿でのさらなる好結果を目指していく。

石浦宏明選手      
   立川祐路選手

立川祐路選手のコメント

ポールポジションからのスタートだったので、個人的には少し悔しい結果ですね。今回は公式練習が走れず、走行時間が短いなかで決勝に向けたバランスが取りきれなかった。そのためアンダーステアが厳しく、あまりペースが上げられませんでした。フロントタイヤがキツくなってしまい、レース展開も厳しくなりましたね。ただ、そんななかでも3位を得ることができました。チームのみんなもミスなく仕事をこなした結果ですし、クルマのバランスさえとれれば勝てる手ごたえも感じました。優勝できなかったのは残念ですが、その分を次戦の鈴鹿にぶつけたいと思います。

石浦宏明選手のコメント

スタートドライバーの立川選手からアンダーステアがあることは聞いていました。ただ、ピットアウトすると前後にライバルがいた状態でタイヤを守ることがなかなかできませんでした。さらに、混戦のなかで#36 LC500 を前に出してしまったことで、より一層空力が抜けてタイヤが厳しくなる悪循環になってしまったのが悔やまれるところでしたね。そこでトップとの間隔も開いてしまいました。ただ、変則的なスケジュールでクルマを合わせきれなかったなかで、3位表彰台を獲得できたのは、今後を考えれば重要な結果だと思います。次の鈴鹿に向けてはテストもしっかりこなせているので、しっかり大量得点できるよう、いい流れにしていきたいですね。

浜島裕英監督のコメント

予選の一発のタイムは速かったですが、レースで2位となった#39 LC500 に離されてしまったのは反省材料です。アンダーステアが厳しかったようですが、それが痛かったですし、課題ですね。そのなかでも立川選手がオーバーテイクして表彰台を獲得してくれましたし、石浦選手も間をきちんと繋いでくれたと思います。次戦鈴鹿は今回の良かった流れを繋げるようにしたいですし、持ち込みの大事さを今回も痛感したので、そこは気をつけていきたいと思います。


Rank Car No. CarName Laps Time Best Lap Time
1 23 MOTUL AUTECH GT-R 110 2:52'02.048 1'30.460
2 39 DENSO KOBELCO SARD LC500 110 2:52'11.786 1'30.934
3 38 ZENT CERUMO LC500 110 2:52'25.498 1'30.962
4 36 au TOM'S LC500 110 2:52'35.192 1'31.016
5 6 WAKO'S 4CR LC500 110 2:52'37.374 1'31.316
6 12 カルソニック IMPUL GT-R 110 2:52'38.264 1'30.809
7 1 KeePer TOM'S LC500 110 2:52'49.558 1'30.830
8 8 ARTA NSX-GT 110 2:53'04.240 1'30.675
9 100 RAYBRIG NSX-GT 110 2:53'19.630 1'30.540
10 3 CRAFTSPORTS MOTUL GT-R 109 2:52'04.862 1'30.723
11 17 KEIHIN NSX-GT 108 2:52'15.031 1'31.807
12 19 WedsSport ADVAN LC500 108 2:52'23.404 1'31.125
13 24 フォーラムエンジニアリング ADVAN GT-R 108 2:52'49.677 1'31.171
14 16 MOTUL MUGEN NSX-GT 108 2:53'25.417 1'30.958
15 64 Epson NSX-GT 45 1:11'54.773 1'31.680

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